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電気男TOPへ俺の名前は白井 太郎。 どこにでもいるサラリーマンだ。 今俺の機嫌はすこぶる悪い。 それもそうだ・・・。 あの時上司に山登りに誘われたのが運のつきだった。 一介のヒラ社員である俺が断れるわけもなく、せっかくの休みをつぶして山登りをすることになってしまった。 「はぁ・・・はぁ・・・」 もちろん普段運動なんてしない俺にはキツイことこの上ない。 「ハッハッハ。白井君は若いのにだらしがないなぁ!」 うるせぇ。クソ上司。てめえが無理やりに誘ったんだろうが。 そう思う間にも上司はどんどん先に行ってしまう。 そしてついには姿が見えなくなってしまった。 「ぜぇぜぇ・・・誘っておいて・・・先に行くなっての・・・」 ポツ・・・ポツ・・・ ん? 顔に水滴が落ちてきた。 「ちっ・・・雨かよ・・・」 登り始めたときには晴れていたのに、山の天気が変わりやすいとはこのことだ。 急いで近くにある木の下へ移動し、雨宿りをする。 「ついてねぇなぁ・・・」 雨はどんどん強くなる一方である。 しかも雷まで鳴ってきた。 「はぁ・・・」 もはやため息しかでない。 ピシャアアアアアアン 「くはっ・・・」 激しい音と光ともに体に衝撃が走る。 雷が木に落ちたのだ。 そして木の下にいた俺にも。 薄れ行く意識の中で、そう理解した。
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